【不動産投資の失敗】ある地方都市でのワンルームマンションの購入

目次

不動産投資のきっかけ

私は70歳の男性で非常勤公務員です。

不動産投資を始めたのは、44歳のときからです。

当時の日本経済は、今よりは良かったような気がします。

このため、不動産、株式、預貯金の3分割で運用することを基本に考えていました。

当時は土地神話もひと段落して、世間では堅実な不動産投資が叫ばれていたような気がします。

そうした状況下で、仕事上のお付き合いのある金融機関から不動産投資のお話をいただいたのが、きっかけでした。

ワンルームマンション2つを購入したが・・・

ちょうど、私が北陸に単身赴任していたころです。

ある銀行の方から、『非常に効率のいい儲け話がありますよ。』と不動産投資を勧められて検討することになりました。

当初は、半信半疑の気持ちもありましたが、東京に勤務していた知人から、『よく勉強して、無理のない程度で、堅実性最優先で検討されたらいいですよ・・・』とアドバイスされました。

仕事も忙しく、単身生活で家族ともあまり相談することこともなく、時間が過ぎていきました。そうこうしているうちに、先の銀行員から、不動産投資物件の具体的な検討プランが提示されました。

私も、少しは乗り気でしたので、一応内容を詳細に確認させていただくことにしました。

提案内容は、単身用ワンルームマンションの物件です。

一つは1,300万円の1DK、もう一つは1,500万円の1DKです。

自己資金は300万円程度でした。

北陸の県庁所在地駅から徒歩10分で近隣には、有名企業の出先機関が点在し、ロケーションには、申し分なかったので、私もこの提案に同調しました。

そうして、結局2つのワンルームマンションの購入を決断した次第です。

当初2年ほどは、転勤族が入居し順調に進行していましたが、3年目の春に一人が東京へ転勤するので、退去することになりました。

その部屋は、同じ会社の職員が入居することとなっていました。ところが、入居から一年ほどして結婚のため退去することになり、また新しい入居者を探すことになったのです。

空室による収支が悪化

この結果、2つのワンルームマンションのち、1つが空室になることによって、家賃収入が少なくなりましたので、ローンの支払いもあり、手元に入る収入が減少するようになりました。

当初は、これも新しい入居者が入るまでのことと軽く考えていました。

その後、幸い半年ほどで、新入居者が見つかりましたので、何とか元通りの平穏な状況になりました。

しかし、その後も転勤族の入退去が数回あり、その都度収入が減少することが起こりました。それでもまだ入居者がいる間は良かったのです。

経過年数による修繕費の発生と家賃の減少

このようなことが数回繰り返されて、10年ほど経過しました。

その頃、北陸周辺では賃貸物件も増えて、購入したワンルームマンションは古くなり、ところどころに修繕費用が掛かるようになりました。

また家賃相場も減少の傾向にありました。

結局この頃は、こうした理由から収入がわずかとなってきました。ローンの返済等もあり、手取り月2,3万円の収入状態でした。

それでも入居者がいる間は何とかなりましたが、いよいよ大変な時期が到来しました。

それは、退去後、入居者が見つからないことがまた10か月ほど続いたのです。

この頃になると、補修費用がかかり、収入は減少傾向になってきました。

こうして1年ほど経過しましたので、やむなく一物件を売却することを決断しました。

ところが、新しい物件は周りに多く、10数年経った物件は、相当の価格低下は、避けられませんでした。

それでもローン支払いと維持経費を考えて早期に売却することにしました。

その結果、それから半年ほどで、物件の1つを売却することができました。

その後は、残り一物件になりましたので、ローンの支払いをささやかな家賃収入で耐えていましたが、その後さらに家賃の低下に伴い、毎月持ち出しの状況が1年ほど続きました。

しばらく様子を見ていましたが、古い物件に入居する人は、見当たらず、入居条件を安くして、入居者を見つけることでやってきました。

しかし、結局こんなことで、神経を使いストレスが残る状態から、抜けたい一心で最終的に残りの物件についても売却することを決断しました。

そして、それから半年ほどで、ようやく買い手が見つかりました。

反省点

振り返ると、地方都市の特殊性をよく知らないよそ者が、ワンルームマンションの経営に手を出すことが、相当難しいということを学びました。

皆様も、もし地方都市で不動産投資される場合には、こういったことを考慮して投資された方が良いかと思います。

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